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合格体験記 (第19期)

バマコで「弁当どうする?」

杉野二郎(東京都)

 私は長年 NGOのスタッフとしてサハラ砂漠の南縁部サヘル地域での砂漠化防止の植林に関わってきました。その為、樹木と向き合うために「樹木医」の勉強をして、2008年に選抜試験を受けましたが、「不合格」でした。

 2009年に再度チャレンジ、しかし、マリ共和国で08年暮れから 3000haの植林区で地中火の被害が始まり、8月から調査に入る予定となり、地中火の文献を探したりして忙しく、樹木医試験の勉強も十分にできず、試験直前に『手引き』を勉強して試験に臨みました。その結果、試験のできは満足のいく結果とは思えず、予定通りマリに出かけました。

 最近は北部の砂漠地帯は治安が悪く、予定していた調査は出来ず、安全なニジェール川沿いの村々で苗木の配布をするメンバーに合流して村々を廻りました。一回の配布は 10日程のミッションで、樹種は村人が要望する果樹苗、既存のローカル樹種、樹木野菜、その他一般緑化樹等です。主だった樹種の苗木は地方でも手に入りますが既存植生樹種は無く、首都にある自分達の苗畑が供給源になります。そのためにバマコに戻ります。事務所に帰りついたある夜、日本の妻から電話があり「樹木医試験に合格した」と知らされました。電話でいきなり「樹木医」と言われても私の頭のなかはアフリカ一色になっており、理解するのに数秒かかりました。更に「10月からの筑波の研修で実習の弁当をどうするか?」と妻が聞いてきます。何を言われているか全く理解不能のまま、とにかく妻に全てを任せて電話を置きました。

 電話を置いてから「樹木医試験」合格の感動がこみ上げてきて、寝袋の中でガッツポーズをしました。これも 20年以上、乾燥地に携わって、乾燥地という樹木の生育がギリギリの環境で「木が育つ本質」を考え続けてきた結果だと理解しています。