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合格体験記 (第13期)

樹木医 合格体験記

薄井美樹

 造園の仕事についてから、約20年がたちます。私自身、この資格を得るまでは、本当に長い道のりでした。何度も挑戦し7回目でやっと資格を得る事が 出来ました。

 初めて受けたのは平成9年、妻の実家でもある福岡が一次試験の会場でした。試験用紙を配布され、択一の問題に取り組みましたが、解かる問題が一問 もなく、面を食らった気持ちで会場を後にし、この世界の奥深さを実感させられました。その後、毎年チャレンジしたのは勿論の事、平成11年、12年と2年連続で (財)日本緑化センターの主催する緑化講習会に足を運び、国立オリンピック記念青少年総合センターや筑波での講義に参加致しました。やはり、 現地での樹木視察や講義での話は、暖温帯樹木が対象となっており、我々北海道の人間、また沖縄の人達は、ハンディキャップを背負っている事に気付か され、私は思い切って修業のため、九州福岡への移転を決意致しました。

 そして福岡での修業中で一番印象に残っているのが、博多区にある櫛田神社のイチョウの診断をさせていただいた事です。「櫛田の銀杏」と言われ祀られ ており、樹高33m、最大幹周16m、樹齢千年という老木で、福岡県の文化財指定になっているものです。この診断に関しては、A4レポート用紙10枚以上に 健康状態・治療法・処方箋を記入し、提出したのを覚えております。

 その後、半年余りの修業期間を経て北海道へ帰省。元来北海道で亜寒帯樹木を扱い、付随して鉢植えやアトリウム庭園で亜熱帯樹木を扱ってきた私には、 暖温帯樹木を九州で扱った事により、北は北海道から南は沖縄まで、日本全国の樹種をマスターした事になり、最高の充電期間になりました。

 それからというもの試験合格までに至る何年かは、とにかく現場での経験を中心に考え、年間千本以上の樹木(低木含)を診断し、見落としや誤診のない よう努力を積み重ねてきました。もちろん、書物での勉強も怠ることなく、毎日夜遅くまで机に向かいました。私が愛用してきた本の中で一番役に立った のは、「ナツメ社」で出版している図解雑学「植物の科学」「気象のしくみ」です。単行本程度の大きさで、実に幾つもの分野にわたり、何種類もの物が分かり やすい内容で出版されています。

 以上ですが、「絶対に諦めない」「現場での経験は、どんな書物を見るよりも勝る」これが私の信念です。