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合格体験記 (第10期)

新たな力を得た喜び

第一建築サービス(株) 森村謙一

 私は学生時代「植物学」を専攻し卒業後の教職で理科「生物」を担当していた。職務を離れても関連の知見を増やすよう心掛けて来たので、自分では植物について専門レベルに近い自負はあった。今回「樹木医」資格を得るには、そうした基礎に加えて、教員退職後の実務世界で得た、多くの具体的知識や、全体的理解、展望も大いに有効であった。机上で文献を探ることは、幾多先達の貴重な努力成果を継承する意義が大きい。しかし、樹木は具体的実体だから、文献等の媒体を経た知識の蓄積だけでは済まない。やはり数々の樹木についての直接の知見が、樹木との関わり全体を展望するにも非常に役立つ。具体的には教員時代から、主に中国の古文献『本草書』等に載っている植物について調べて来て、それは長年の共同研究上の役割でもあった。周知のとおり『本草書』は本来、医薬として使って来た多種類の自然物についての書物で、樹木だけを採り上げているのではないが、実質的に樹木と樹木的な草本が多く記載されている。また教職の晩年は管理職であったので、学園緑化つまり自分が預かった校内の充分な緑化を、学校経営円滑化の方策の一つとして実施することが出来、幸せだった。後の実務世界では民間会社に籍を置いて、主に都市緑化コンサルタントに従事した。会社が積極的に中国への進出を図り、自分は上記の研究歴との関連からおのずと中国での仕事が主となって、東北部・遼寧省大連市での庭園創設や南東部・広東省深 市での都市緑化シンポジウム等で努力した。言うまでもないが樹木の世界、植物の世界には国境はなく、そのような経験により、出来るだけ大きな広がりの中で理解してゆくのが非常に有効であると実感した。殊に、広域地理的には日本は大陸東端の離島であり、樹木を含め植物全体に、長大な時間経過の間に自然に、或いは人為的に大陸や他世界から分布して来て、或いは渡来時のまま存続、或いは渡来後細かく地域化して特異種に分化したりしている。

 自分は折角そのように樹木、植物について学んで来たのだから、この際、公的に認められた専門資格・樹木医になって、更に知見を活かしてゆきたいと思い受験した。なお上記の実務に関連して知り合った先輩方・中国へ繁く出向し苦労を共にして頂いた京都の造園家及び第1期生の常務を筆頭に何人もの樹木医を擁する会社には、単に仕事の関わり以上に大いなる啓発を受けたので深く感謝している。

 更に具体的に、受験⇒合格に有効だったと思われる諸点を振り返ると、第1次審査には!樹木そのものについてだけでなく、地球環境全体についての正 確でバランス良い理解と知識が有効:関連情報は色々なメディアから溢れるほど得られる現代、関連のあらゆる状況への積極的興味が根本だと思う。何 でも知っておきたい気持が大切なようである。"樹木に関して自分の関心と見識を的確に表現出来る力も有効:樹木に限らずおおよそテストに立ち向 かう場合に必ず必要と言えるが、この場合は対象が「樹木」と、具体的明瞭に限られている。この地球上で共に活動している生物仲間として認める気持が基本になるだろう。

 以上、新参にもかかわらず大言壮語していてお恥ずかしい次第。第2次審査・筑波での2週間の研修では、自分よりも若い方々が既に素晴らしい見識を 有し、物凄く努力して来ているのに驚嘆した。更に、今年になってから次々と開催された会合、研修の機会に出席し先輩方の達成の数々にも触れることが出来、全く良き仲間入りが出来たと喜んでいる。