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合格体験記 (第10期)

樹木医選抜試験で問われるもの

東邦レオ(株) 眞家道博

 自然環境改善に役立つ仕事をしたいと強く願っていた私が、「事業部を起こした部長が樹木医で技術士…」という募集コピーに魅せられて入社したのが 8年前、樹木医へのスタートでした。所属会社の仕事内容自体が植栽基盤改良・樹木治療・樹木調査そのものを含み、先輩樹木医が複数いることで、情報に は恵まれていました。それでも、「樹木医研修受講者選抜試験問題集」の択一問題をみてわかるとおり、出題内容も10年間で変化があり、何を勉強したらよ いかわからない…というのが正直な印象でした。

 「樹木医の手引き」は読んでおくべき、でもそこからの出題が少ない/中学・高校の生物の教科書が参考になる/科学雑誌を読んでおくべき/樹木に関す る本を沢山読む、など先輩合格者からアドバイスされました。

 私の受験は2年がかりでした。自分の方法を決めて準備を始めたのは平成11年3月頃、「新・樹木医の手引き」を教科書にしました。それは知識体系をも う一度創りあげる為でした。私の勉強法の特徴ですが、通して読むのは1回だけ、納得するまで前に進まない、真剣勝負で読むのです。次に問題集をやり ます。各問題の出題関連箇所をもう一度熟読します。そして、再度問題を解いてみます。中核の勉強はこれだけでした。あとは、暇をみつけて本を読んでい ました。1回目の受験には不合格でした。本試験を受けてみての印象は、「つかみ所がない。わからない。」

 実はこの時を境に、私は樹木医受験のための勉強を止めてしまったのです。そのかわり、今まで以上に樹木に興味をもって、数多く丁寧に本を読んだり、 調べ物をしたりというように普段の生活をあらためていきました。選抜試験に合格できた年の特別な準備はありませんでした。本試験では、論文を明快に 丁寧に書くことを心掛け、論理展開に細心の注意を払いました。それから、3週間後の合格結果については、正直驚くばかりでした。

 何が決め手だったのだろう。今思うと、その答えは2週間の樹木医研修中にわかったような気がします。全国から集まった80名の人達、それぞれの専 門分野と経験を兼ね備えた人達が、謙虚に探究心をもって熱心に学んでいる。皆、本当に楽しそうにやっていました。

 その人達の何人かが、講義を終了して口にしていた言葉が、「知識の体系付けができたのが良かった」でした。私もまったく同感でした。この「知識体系」 と、研修に参加していた人達の「探究心」のようなものが樹木医受験のエッセンスではなかったかと思います。

 樹木医研修では、いろいろな方から試験に関するエピソードを聞きました。「論文をどんなふうに書いた?」「真夜中に好きな人にラブレターを書くつも りで…恥ずかしくて二度と読みたくない。」「樹木医になったらこんな活動したい、自己アピールを盛り込んだ。」など、論文の自由度もけっこうあるか な?とびっくりでした。

 樹木医研修の2週間は試験もあり樹木医になるための最後の関門なのですが、そこでは「出会い」が生まれました。感謝すべきことです。

 私など、まだ知識も経験も技術も拙い「樹木医の卵」ですが、いろいろな問題を整理・解決してゆく手掛かりが、「知識体系」と「探究心」であり、選抜試験 ではそこまでを問われていると感じます。そして、それに「人のつながり」や「経験」を加えたものが樹木医として活動するためのスピリットなのかもしれな いと思います。これから注目度の高い分野であるので、日々の精進を欠かさず、自然環境と社会に貢献できる活動をしてゆきたいと決意しております。

 思うところを勝手に述べて参りましたが、樹木医を目指す方に御参考になれれば幸いです。